されどきのぶろ。

元ホテリエのアラサー女のやるせないブログ。 雑記を中心に、ホテル・結婚式・アニメゲーム・ブログ作成・資産運用の事などをほざきます。

出会い系サイトで、同性と出会ってみた時の話。

どうも、キノです。別に出会い系サイトの誘導ページではありませんのでご安心を。

 
  
突然ですが私キノは昔、出会い系サイトに登録した事があります。
 
 
一般に出会い系サイトというのは、その言葉の通り男女がお互いに出会いを求め利用されるケースが多いと思いますが、当時の私は全く違った目的で利用していました。
 

始まりはサイコロジー。

今から十年ほど前、当時学生だった私は心理学に興味をもち、本来所属していた学部とかけ離れた内容にも関わらず、やれアドラーだとかやれフロイトだとかを読み漁っていました。少し遅れた中二病的な要素もあったと思います。
 
 
そして「本で得た知識はあくまで机上論。経験を積んで実際に悩んでる人を楽にさせてあげたい」という短絡的な考えから全ては始まりました。さらに何を血迷ったのか出会い系サイトは悩みを抱えてる人多いだろうという考えに至り、冒頭の登録の流れに行き着いたわけです。
 
 
登録したサイトは性別を問わず登録者全員とメッセージをやりとりできるシステムでしたので、「心理学勉強中です。男女問わず何かお悩みありましたら声をかけてください」とプロフィール画面に入力し、声をかけられたらLINEに移動。その後話を聞くというシステムで運営していました。なお料金は無料です。
 
 
相談者との接触はあくまでチャットのみ。せいぜい少し通話するぐらいで、直接会ってどうこうという事は考えておらず、逆にそれが新鮮だったようで割りと多くの方から声をかけられました。
 
 
 そんな中でたった一人だけ、実際に会うことにまで発展した女性がいました。
 
 

今日はそんな話。

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スルースキルを発動しながら、お悩み相談室を開く

たまに無言で送りつけられてくる㊙拡大写真などを巧みにかわしながら数ヶ月間、お悩み相談をやっていたのですが睨んだ通り、出会い系サイトには様々なジャンルの悩みを持つ方がとても多かったのです。

 
 

中でも一番多い相談は恋愛関連。

好きな人にうまく声がかけられないだとか、別れた元彼に呼ばれるとまた会っちゃう都合の良い女を辞めたいとか、同性が好きになってしまっただとか。ソフトな内容からハードな内容まで。相談を解決するにあたって、多くも少なくもなかった微妙な私の恋愛経験だけでは頼りなく、当時は友人の話、少女漫画や恋愛小説などをフル活用して答えていた記憶が有ります。
 
 

さらに人間関係の話題。

学校・職場でいじめられてるだとか、家族と上手くいってないとかそんな内容でしたね。人が2人以上存在すれば、大小のいざこざは必ず生じるもの。これも人気のお悩みテーマでした。いわゆる世渡り上手だった私はどちらかと言えばこちらの方が得意ジャンルでした。

 

その他の話題

携帯のやり過ぎで首が痛いとか、ワンピースの続きが気になって眠れないとか、いま電車の中なんだけどおならが出そうとか、悩んでいる人って多いんだなぁと改めて感じたものです。
 
 
 
 
そんな中、一人の女性からメッセージが届きました。
 
 
ミカ:キノさん悩み相談していいですか
 
 
この一行のメッセージから、物語は始まります。
 

帰る家が無い女性。

その悩み相談とは、「今夜泊めてほしい」というもの。思わず、「私、女だけどいいの?」という意味不明な気を使ってしまった…後から考えるとすごく失礼です。
 
話を聞くと、同棲していた彼氏に新しい彼女が出来て追い出されたとの事。なら実家に帰ればいいのではと言うと「家は絶縁状態」。これは手ごわい。
  
当時、私は既に親元を離れひとり暮らしをしていましたので一日位誰かを泊めてあげた所で特に支障もなかったし、なにより「若さ」というリスク云々を都合次第で無視できる、漲る物がありました。
 
多少迷ったものの「一日だけなら・・・」と返事を出すのにそう時間はかからなかったのです。
 
 

いざ出会いの時。

返信から数時間後、待ち合わせの場所で彼女と合流。声をかけられるまで「これは何かのドッキリなんじゃないか」と疑っていましたが、本物でした。さらに勝手にギャルっぽい風貌を予想していましたが、間逆のすごく地味な感じ。両手首にシュシュを付けているのを除いてごく一般的な女性です。

 
ひとまず自己紹介がてらファミレスでご飯を食べたのですが、彼女がお金を持っていなかったのでおごる羽目に。どうやってここまで来たんだ。
 
ファミレスでわかった事は彼女が私と同い年だという事位。特に盛り上がりもせず、とりあえず家に向かうことに。
 
 

なにはともあれ家に着いたら。

家に着き、とりあえずどうすればいいのか分からなかったので冷蔵庫の中にあった缶チュウハイで乾杯。
 
お酒が入ると彼女は人が変わったかのように語り出しました。親の離婚の事、母親の彼氏からの虐待のこと、夜のお仕事のこと、自傷行為のこと、彼氏のDVのこと、今まで泊めてもらった男たちのこと。
  
私と同じ年齢の彼女の口から発せられる言葉はどれも「なんとかなるさ」と笑い飛ばすこともできず、「自分の知らない世界の話」にうんうんとただ首を縦に振りながら聞き手役に徹する事しかできませんでした。
  
そして徐々に私は、今日まで自分のやってきた行動の愚かさに気づいていきます。心理学をかじった程度の自分が、興味本位で人の悩みを聞いて、それを解決したぶって気持ちよくなっていた。そんな中途半端な偽善に満足していた自分を殴ってやりたい。なんならドロップキックをかまして、倒れたところを持ち上げベッドの上から雪崩式ブレンバスターを決めてやりたい。
 
 
ひとしきり話し終わると彼女は、疲れたのかすぐに用意したベッドへ。私も特にする事が無かったので床にゲスト用の布団を引き寝ていると、彼女が無言でベッドから落ちてきて抱きついてきました。
 
 
突然のことに戸惑いつつも、「あぁ、この子はこのようにこれまで処世してきたのだなぁ」と瞬間少し穿った見方をしてしまった自分の汚れ具合に、えもいえぬ感覚を覚えながら無言で彼女の背中をさすってあげる私。「今日を最後に悩み相談はやめよう。」隣で寝ている彼女の横顔を眺めながら、最終的にそのような考えに至ったのです。
  
そして翌朝。
目覚めると彼女は、500円玉貯金箱とともに姿を消していました。その日から悩み相談室は無期限休業、私は今日も元気です。願わくば今、彼女が幸せでありますように。

 

銭別銀行とりだし君(ブラウン)

銭別銀行とりだし君(ブラウン)