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されどきのぶろ。

元ホテリエのアラサー女のやるせないブログ。 雑記を中心に、ホテル・結婚式・アニメゲーム・ブログ作成・資産運用の事などをほざきます。

ホテルマン二年目、私はチップではなく頭髪を貰った。

ホテルの話 雑学

こんにちは。キノです。気付けばもう48個も記事書いてました。

 

思い起こせば、

 

  • 無かったことにしたい記事
  • 5時間位かけて頑張ったのに反応が全く無かった記事
  • アップを後悔して退会ボタンを探した記事

 

など多々ありました。しかし、そんな中でもめげずにやってこれたのはひとえに皆様のおかげです。いやはや、こんなありきたりの言葉しか浮かばぬ己のボキャブラリーの貧弱さに肩を落としつつも、感謝を込めて記したい。

 

今日のテーマ

そんなこんなで今日は節目の50を目前にした49個目の記事。ある程度前から書く内容は決めてました。

 

 

なお、これまでの48記事の内から神セブンを決める

「KNO48選抜総選挙」は企画の段階で没になりました。

 

 

今回の記事から、いずれも私がホテルマン(今はホテリエと呼ぶのでしたっけ)だった昔の話をいくつかご紹介します。

 

 

  • すこし怖い話
  • わりと重い話
  • 意外と困る話

 

 

の全三部構成となっております。今日から一話ずつアップしていきます。華やかに見られがちなそんなホテルマンの日常を切り取って、可能な限り面白可笑しくお話すると致しましょう。

 

 

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そもそもチップ制は日本ではあまり見受けられない。

チップ制というのはもっぱら海外ではポピュラーであり、むしろ常識的なマナーと言ってもいいシステムのひとつです。

 

受けたサービスに対する感謝の気持ちを「チップ」として現金で還元するものですね。高級ホテルで働いている人々はそのチップでかなりがっぽり儲けてるという話は小耳にはさんだことがあります。

 

しかし、ここ日本においてはあまりなじみがありません。これは各ホテルによって方針が違うと考えられますが、基本的にお客様からチップを渡されたら「まずお断りする」というスタンスが多いように思えます。

 

その後何度かお断りしても、お客様がどうしてもという事であれば受け取らざるを得ないのですが、上司にきちんと報告してうんぬんという流れ。

 

私が働いていた所も確かそんなシステムでした。チップが無い代わりにサービス料と称し、ちゃっかりお会計でいただいていたりするんですがその話はまた別の機会に。

 

チップが貰いやすい部署と貰いにくい部署がある。

なじみが無いと言われつつもチップを貰いやすい部署・貰いにくい部署というのは確実に存在します。その中でもベル係というのは、ホテルに到着されたお客様を荷物を持って部屋までご案内する関係上、お部屋の中でチップを貰う機会が比較的多いのです。

 

私がそんなベル係をしていた時のお話、それが今日のメインテーマです。

 

いつものような一日になると思っていた。

それはお一人で来館された60歳~70歳ほどの女性のお客様でした。

 

初めての来館の方でしたので、より丁寧に館内を案内しつつ世間話などにもすこし花を咲かせながらお部屋まで案内したことを覚えています。確かその時、尋ねられたのは「おいしいイタリア料理屋どこか」という事でしたのでお気に入りのレストランを紹介したんだったと思います。

 

 

その日の夜。レストランから戻ってこられたそのお客様にロビーで丁度出くわした際、

「あなたの本当の親は私なのよ!」と手を掴まれながら言われました。

 

「あ、あれ?」と思いつつも酔っているのだと思い笑顔で「だとしたら嬉しいですねー。」なんてのんきな返答をしました。

 

そして夜が明ける。

翌日、「チェックアウトをするから部屋まで来てほしい」と電話を頂き部屋にお伺いすると、突然手に「ぽち袋」のようなものを握らされました。

 

 

 

あ、これはチップだ。

  

 

 

と直感的に感じ一度お断りをしたものの「いいから、ほら開けてみて」というお客様の一言に、思わず「いくらだろう・・・」とにやけながら開けてしまった自分を助走をつけながら蹴飛ばしたい。

 

 

 

 

少女の肌のように綺麗な和紙に、それは包まれていました。

 

 

 

毛髪でした。

 

 

 

100本ほどまとめられつつも、5cm程の長さに切り整えられた黒い髪の毛の束でした。

 

 

言葉も出せずに顔を見ると笑顔で

 

「私の髪です。もらって下さい。魔除けになります。」と言われ青くなる私。

 

 

「早速効力発揮して!(届かぬ思い)

 

 

手も脚も震えていたと思います。当時、例え林先生がテレビで活躍していても「魔除け発揮するのいつなの?今でしょ」とジェスチャーと共に繰り出す余裕はありませんでした。その間、お客様から私の本当の名前や、本当の父親の事を聞かされていましたが、詳細な記憶が曖昧になっているので恐らく呆然と聞いていたのでしょう。

 

 

幸い一日だけのご来館でしたので、その後特に何かあった訳ではないのですがこの日までたくさんのお客様から

 

  • 「スリーサイズを聞かれたり」
  • 「酔っ払いにナンパされたり」
  • 「長寿になれるという水を頂いたり」
  • 「宗教の勧誘を受けたり」

 

など、様々な経験から対応力・回避力が身についたと自負していた私でも、その和紙の上に乗った髪の毛の前ではなす術が有りませんでした。

 

 

今でもその光景は強烈に脳裏に焼き付いています。

 

 

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