キノ妹「キノ姉~!心理テストしよう!」
キノ「お、いいよ。どんなの?」
キノ妹「貴方は病気にかかりベッドで寝ています。」
キノ妹「さて、枕の色は何色でしょう。』」
キノ「また唐突な内容ね。・・・『赤』。」
キノ妹「ええっ・・・!?」
キノ「赤だよ、赤。で、どういう意味なの?」
キノ妹「うわぁ・・・とりあえず気をつけてね。」
キノ「えっ、ネタばらしは?どういう意味なの?」
キノ妹「ばいばい・・・お姉ちゃん・・・」
キノ「・・・。」
こんにちは。今日は新鮮な書き出しに挑戦してみました。冒頭からの寸劇すみません。後程、意味をきっとわかって頂けるかと。
実は転職活動を水面下で行っていたキノです。なお、過去形なのはつい先日に人事異動がありそれどころではなくなってしまったからです。
最近の就職・転職活動事情
就職・転職活動において、企業から審査を受ける題目として「書類審査」「面接」「グループディスカッション」などがあります。
そしてさらに、一大項目としてあるのが「筆記試験」。中でも「SPIテスト」という言葉は、最近の就活生なら誰もが一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
便利なWIKIより引用して説明すると
SPI総合検査(エスピーアイそうごうけんさ)は、リクルートマネジメントソリューションズ(旧社名:人事測定研究所→HRR)が提供する適性検査である。性格と能力の2領域を測定する。
ということらしい。
私キノがこの一年でのらりくらりと転職活動をした結果、いろんなタイプの筆記試験に出会いました。それらの紹介を簡単にしつつ、受験を通して私が感じた違和感について考察してみようと思います。
まずは簡単にご説明とご紹介から。
二つのタイプの受験方法
そもそも筆記テストには現場で行うものとWEB上で行うものの2種類あります。会社の規模が大きければ大きいほど、また受験する人数が多ければ多いほどWEB形式が多かったように思えます。
現場で行う際は「筆記用具」さえ忘れなければ、特に問題はないでしょう。しかし、WEB形式の際に気を付けなければならないのが
PCの環境設定をきちんとしないとやばいという事。
WEB試験の場合は、受験の前に使用するパソコンの「推奨環境設定」に関するページを確認することが出来ます。ここで、自分のPCの画面のサイズ・解像度やInternet ExplorerやFLASHのバージョンについて、きちんと目を通して置かなければなりません。
お馬鹿な私はとあるWEB試験でこれを完全に無視してしまったがために、次のような現象が起こりました。
キノがやってしまったミス3連発
Case1
画面内に問題が入りきらず、何を答えればいいかわからなかった。
Case2
選択肢が4つあるはずなのに2つしかクリックできない。
Case3
次の問題へ進むボタンが表示されず、時間制限いっぱいそのページで過ごさなくてはならない。
などの恐ろしいアクシデントに見舞われました。
・・・当然落ちましたとも。筆記試験で記念すべき初の落第。筆記試験でもきちんと審査していることがよくわかりました。
みなさん重々気を付けましょう。
筆記試験内容あれこれ6連発!
それでは続いて様々なタイプの筆記試験内容を紹介しつつ、個々に考察していく事にしましょう。
①能力検査
これは基本中の基本ですね。本屋さんに行けばいくつも参考書が見つかります。

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問題内容は算数・国語の問題が基本の2セットでしたが、中には英語・地理・時事問題などを問われることもありました。
内容は業種によって変わってきそう。ホテル・観光業系なら英語や地理の問題があってもおかしくないですよね。算数に関しては「電卓の使用許可」があるパターンが多く、いかに計算が早いか・・・というよりも思考力、ひらめき力を試されるのだと思います。
内容としては中学受験算数に似たものがありますので、受験経験のあるなしで若干有利・不利があるのが否めないです。
よくあるパターンとしては
算数(非言語問題)であれば・・・
「利益・割引率を計算する」「つるかめ算」「比率を使った問題」「確率を求められる問題」など
国語(言語問題)であれば・・・
「文章の主旨を答える問題」「文章の空欄に入る接続詞を答える問題」「フレーズを並び替えて文章にする問題」「熟語の意味を問う問題」など
これに関しては全ての業種・全ての規模で出てくる可能性がありますから、苦手意識を持っているならば対策しておく必要があります。
ちょっぴり考察
能力検査は面接では推し量りきれない「社会人として持っていてほしい最低限の思考力」を確認するためにあるのだと思われます。
でも、こんなこといっちゃあれなんですがSPIが出来なくともすごい人はいくらでもいるんですけどね。SPI試験の結果だけで選考から外してしまうのは、企業にとっても勿体の無いことだと思うんです。
②自社に関する筆記テスト。
少し特殊なケースもいくつか経験しました。
- 弊社が発行している「社内誌の名前は何?」
- 運営している施設は「何件ある?」
- 社長の名前は?
などがA4の紙一面つかって出されました。 これについては深く語る必要はないでしょう。
ちょっぴり考察
イメージとしては
- 「会社愛を求められてるんだろうなぁ」
- 「トップダウンが激しそう」
といったところ。
家族経営の会社・オーナー社長の会社・メディアに社長がよく出てくる会社に多い傾向です。
対策としては、説明会やホームページをくまなくチェックしておくしかないですね。事前にこの傾向の問題が出題されることが判っていれば対策もしやすいですね。
③ただひたすら作業をさせるタイプのテスト。
①上の画像のように数字が羅列した紙が配られます。
②数字の隣同士を足し算して、間に答えを書きます。
③一定の時間が経ったら(2分くらいかな)
一段終わっていなくても、すぐさま下の段におりてまた同じ作業を・・・。
という単純作業を20分程やらされました。
ちょっぴり考察
このタイプに関しては非常に判りやすいです。頭の回転力と20分間集中してやり続けられるかどうか精神力を見られているのでしょう。
私の場合、製薬会社・医療器機系で何回か出されたことがありました。キノ的にはこれが一番きつかったです。疲労感が尋常じゃない。
④かなり特殊な内容の出題
「割りばしと、ゴムがあります。これを使った遊びをいくつでもあげてください。」(制限時間10分)
もう、必死に考えましたよ。
「割り箸でゴムを飛ばす銃を作る」から始まり、挙句の果てには「ゴムを割り箸でつまむ」、「ゴムを睨む」とかもはやそれ遊びじゃないよっていう。
ちょっぴり考察
内容的にも突拍子もなく、クリエイティブな会社が出してくる傾向が高いイメージ。また、ベンチャー傾向の高い企業も好きそうな内容です。福利厚生内に「ん?」と思うような変わり種を入れてくるような会社は要注意です。「広告代理店」「デザイン系」などが怪しい。
ただし、これはもはや対策なんて出来ないですね。普段から妄想力。空想力を鍛えておけとしか言いようが有りません。
⑤性格診断テスト
ある質問に対して「そう思う・どちらかと言えばそう思う・どちらかと言えばそう思わない・そう思わない」の4つの選択肢から答えるものです。質問が80~100個くらい並んでいてどれも質問内容自体は単純です。ただし色々と厄介。
- 「私は我慢強い」
- 「人と話すのが好きだ」
- 「不可能な仕事はなるべくしたくない」
こういった質問であればポンポン答えられるんですが
- 「人間関係を円滑にするために、思ったことでも言わないことがある。」
- 「ダメなものにはダメとはっきり言う」
- 「行動を起こすときは、深く考えずにすぐに動く。」
- 「行動を起こすときは、よく考え分析してからにする。」
上のように「これ、ケースバイケースだよなぁ。」と思うような質問の時すごく困ります。だって相手や状況によって違いますもん・・・。
ちょっぴり考察
この性格診断については「性格・思考が、会社の風土に合っているか(または新たな風を吹かしてくれるか)を見極める。」という面に活用されているのでしょう。 風土は会社によって様々ですからね。
A社では
- 「他人の目を気にしないの上等!むしろ自分勝手位な方が優秀な営業になれる!」
- 「行動あるのみ!考えるな!感じろ!」
B社では
- 「協調性を重視します。仕事はチームプレーです。」
- 「やたらめったら行動するよりも、冷静に分析してから行動すべきです。」
というそれぞれの風土があった場合、同じ能力の人でも性格面が合否に大きく関わってきますよね。また、もう一つの目的として「嘘をついていないか」を判断する指標にもなってきます。
80~100個質問有ると「あれ、これさっきも似たようなこと聞かれたなぁ」という質問がいくつか出てきます。その際に、前に出した答えと矛盾した選択をしてしまうと「こいつ・・・よく見せる為に嘘ついてやがる!」と評価されてしまうのです。
⑥謎のテスト
私がかつてやったことのある問題を下に再現してみたよ。
もはや意味不明なテストです。
これについては何を知りたいのか、そして私はどのような評価を下されたのかを是非人事の方々にお伺いしたい。ちなみにこれは去年大型新規上場で話題となった企業(〒)で出されました。
それに対する私の解答をご覧ください。
ちょっぴり考察
とまぁ、上のような感じで解答してみたんだけど、ここからどういうことが判るんだろう。深層心理的な物を読み解いていくのでしょうか。
矢印の向きが上から下へ下がっている人は向上心が無い。とかなんだとか言われてたら悲しい。それならまだしも「この図形の配置の仕方はサイコパスに多い」とかそんな結果だったらどうしよう。
結局どういうことなのか不明なまま「選考が通った」「選考に落ちた」 という結果のみが伝えられると。なんか腑に落ちないです。せめて落ちるにしても「あなたの人間タイプは勤勉型!きっとほかの所で活躍できるよ!」とか結果を知らせる機能が欲しい。冒頭の寸劇はそんな気持ちを伝えたかったのです。
まとめ
さて、ここまで上げてきた現代社会における入社試験の一部、如何だったでしょうか。ご自身の時と全然違う形式だという方も、今まさに真っ最中だという方もいらっしゃるかもしれません。上にあげた中で、私が特に疑問に思う点は⑤の「性格診断」の項目。
というのも実は、就職・転職情報を集めたサイト・掲示板に性格診断の攻略法が掲載されていたり、もしくは学校の先輩からの直伝などで
- 「あの会社は多少自分勝手な方に答えた方が通りやすい」
- 「この会社は協調性をアピールすれば入りやすい」
- 「こうやって答えると”会いたい”と思わせることが出来る!」
など知識を得ることが出来てしまいます。つまり、それらの情報の正否はどうであれ事前対策が出来るんですね。また、攻略方法を知らずとも「あなたは我慢強いですか?」の質問に対していったい誰が「いいえ、私は軟弱者です」と答えるんでしょうか。
試験に受かりたいが為に、自分を偽って背伸びしたり、企業に合わせた解答をする。結果、会社の風土に無理やり自分を摺り寄せなくてはならなくなり、就職後、ギャップやストレスが生じ退職へ・・・これは企業にとっても個人にとっても悲しいことです。
このような形式の試験が増えれば増えるほど、形骸化します。ノウハウも豊富になり、事前対策をしてくる人が増えてくるのではないでしょうか。もちろん、性格診断が判断基準の大部分を占めているとは到底思いませんよ!
しかし、それならそもそもやる意味はないんじゃないの?無駄なコストなんじゃないの?と考えた次第です。もし、「他の会社がやっているから」「流行ってるから」という理由での導入だとすれば、その是非をもう一度考えてみるのはいかがでしょうか。
リクルートに踊らされるのやめません?
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