こんにちは。株においては石橋をたたいて叩いて、ダメそうだったら渡らない慎重者のキノです。普段からこうだったらよかったのですが・・・。
初心者が見落としがちなIPO対策 後篇:IPO値下がり銘柄を見抜く3つの指標を公開。

さて、この先はあくまで初心者が初動でつまずかないように、慎重に慎重を重ねた内容となっています。正直私から見ても「なにもそこまで気をつけなくとも・・・」という内容も含まれていますが、いずれは経験を重ねて自分の限界ラインを少しずつ決めていくのがいいですね。
※2018年版。判断基準が正しく作動しているかどうか検証してみました。
もくじ
IPOで利益を確定する手っ取り早い方法
初心者がIPOで儲けを出すには、下手に売り時を見極めたりしないで「初値」で手放す、成り行き売りがお勧めと前回お伝えいたしました。
しかし一方で、初値が公開価格よりも下がってしまうケースも見逃してはなりません。後でお見せいたしますが、今年に入って初値が公開価格よりも下がるケースがすでに数件出てきています。
初値が下がる銘柄を避けよう。
実は、初値が下がりそうな銘柄は実は事前に察知することが出来ます。それが今日お伝えする3つの指標です。もちろん今日お伝えするのは基本中の基本で、難しい理論とかはありません。その代りかなりおおざっぱな銘柄の見方となりますので、先程書いたように「何もここまで気をつけなくても・・・」といった銘柄選定の仕方です。
よって
- IPOで1円でも損したくない!
- そのためには絶対に冒険もしない!
- たられば信じない!
という確固たる信念がある方にはかなり有効です。実際のデータと照らし合わせながら見ていく事にしましょう。
最後に私が大胆予想しちゃうコーナーもありますのでどうぞご覧ください。


良IPOを見極めるには、まずは下準備から。
無料サイト トレーダーズウェブを活用しよう。
使用するサイトは「トレーダーズウェブ」というサイトです。いわゆる総合投資情報サイトで基本的には無料です。一部有料サービスもあるようですが、私は使ったことがありません。今回ご紹介する方法は全て無料で見られる範囲の情報のみ使用するものです。
まずはトレーダーズウェブ内の「IPOスケジュール」を開いてみてください。
まずはトレーダーズウェブTOPページから下図「IPOスケジュール」を選択。

するとすぐに下の表が出てきます。

これで準備OK。それでは早速、3つの指標を一つずつ見ていく事にしましょう。

IPOの初値値下がり銘柄を見抜く3つの指標
はじめに:まずは過去のデータを見てみよう。
実際に今年に入ってから、いったいどんな銘柄が初値で上がったか、どんな銘柄が下がったかを見てみましょう。以下の図をご覧ください。

上の図で赤の四角で囲った「騰落率(とうらくりつ)」でその判断が出来ます。
初値が上がった物は赤字、初値が下がったものが青字で表されています。恐ろしいことに、下がっている銘柄結構多くありませんか?判りやすいように下がっている銘柄だけ引っこ抜いて表にしてみました。こちらを見ながら3つの指標を見ていくと「あー、なるほど!」となって頂けるはず。

①公開価格(公募価格)に着目せよ!
初値という言葉の他に、公開価格(公募価格)というものがあります。上の図でいうと真ん中あたりに書いてありますね。
IPOが決定した企業の株価は、まず証券会社が予め設定した○○円~▲▲円と株価の枠を設けられるのですがこれを仮条件と呼びます。その後IPO抽選くじの人気状況によって最終的な公開価格が決まります。
公開価格は、▲▲円(つまり仮条件内の最上限)になればごく普通の光景ですが、まれに▲▲円よりも低くなる場合があります。場合によっては最下限の価格になることも。
これは非常に判りやすい警告サイン。

仮条件3000~3100円に対して、公開価格が3000円ですがこれは非常にやばい傾向です。結果論ですが、案の定初値は2480円と大きく下がっています。
今日のポイント
「IPOは抽選に当選する可能性が低い。」とよく耳にする事が有りますが、気をつけていただきたいポイントとして上のような不人気のくじは「当選しやすい」という事があげられます。IPOについて経験を積んでいる方々が、危険信号を察知し避ける分、何も知らない初心者が掴み取ってしまう可能性が高い銘柄です。「やった!IPOくじ当たった!」と喜んでいる場合ではありません。
この傾向が見えたときは「たられば」の考えを捨て、例え当たったとしても「購入辞退」することをお勧めします。
②銘柄の業界に着目せよ!
続いて新規上場する企業の業界をチェックです。実は業界によって、初値が上がりやすい・上がりにくいがはっきりしています。これについては時代によって変遷していきます。
そして、今の時代において上がりやすいのはIT・ネット関連です。そもそも業界全体として活発なジャンルですのでそもそもIPO自体多いですし狙うチャンスは多いと思います。注意なのはITといっても半導体とかその辺は鈍いです。(すみません私には当初どちらも同じようなものという認識しかありませんでした・・・)
ソフトウェアや、ゲーム関連が熱く、電気機器・不動産・小売り関連は要注意。実際に今年のIPO結果を見ていきましょう。試しにIT系と思われる企業だけを以下に抜粋してみました。

いかがでしょうか、すごい値上がり率ですね。
一番下をみてください!何と、我らが「株式会社はてな」は1株800円がいきなり3025円に跳ね上がっています。つまり、最少単元の100株を80000円で購入していたら、成り行き売りで設定しておくだけで302,500円に大化けするんです。
はてな万歳!!
おやおや・・・1銘柄値下がりしている物が有りますね。見間違いでしょうか。拡大してみましょう。

あっ・・・やっぱり下がってる・・・。
先程私「IT業界は熱い、ソフトウェアやゲームもいいね!」と確かに言いました。
- 「おいおい、いきなり理論が崩壊してるじゃないか」
- 「ほら吹き野郎め!!」
という声が聞こえてきそうですが・・・ちょっとまってください!
③公募株数に着目せよ!
最後に公募株数に目を向けてみましょう。
さて、当たりくじが多い銘柄と、少ない銘柄どっちが貴重だと思いますか?
当然少ない銘柄ですよね・・・?初値もそのように動きます。
- 当たりくじが多ければ多いほど値上がりしにくい。
- 当たりくじが少なければ少ないほど初値が跳ね上がる。
またトレーダーズウェブを見てみましょう。仮条件・公募価格・公開株数が一度に見れるサイトは何故か少なくこのサイトが一番便利です。

今度は表の右から2番目の項目に目を向けます。赤い枠の右の項目ですね。「公開株数」を見ると当たりくじの多さが判ります。
それでは、また具体的に見ていきましょう。
現在、一般的に株式の最低取引数は100株です。これを最少単元といいます。公開株数を最少単元の100株で割れば、当たりくじの数(つまりIPO購入できる人の数・・・厳密には一人で沢山買う人もいるので違うが)を割り出すことが出来ますね。
さっきの理論を適用して考えればこの数が多ければ多いほど危険なにおいを醸し出す銘柄となります。 ここで先程出てきましたゲーム関連企業なのに価格が落ちた銘柄「アカツキ」を見てみましょう。
今度は公開株数をチェックですよ。
株公開数が3,795,000になっています。つまり、最少単元の100で割ると・・・37,950個の当たりくじがあるわけです。
これ、多すぎるんです。
①の公開価格も良し、②の業界も良し・・・だけど③の公開株数が多すぎるんです。
これは安全圏を維持するなら、避けるべき警告サインなんですね。
今日のポイント②
もちろん、公開株数が多くても初値で上がることはいくらでもあります。昨年末の郵政なんていい例です。しかし、ここではあくまで「絶対に損をしない」という目的のみを重視するというコンセプトで記事を書いています。
3つの指標をまとめてみたよ。
まとめます。
- 銘柄の公開価格
- 銘柄の業界
- 銘柄の公開株数
もちろん、他にもいろいろな要素がありますがまずは簡単なところから見てみましょう。そして、動きをしばらく見ていくと業界によって癖が見えてきたり、事業内容・業績によっても上がる下がるが関係してくるポイントが判ってくると思います。
徐々に自分で安全圏を少しずつつかんでいくのが一番ためになります。
今日のポイント③
トレーダーズウェブを見る際気をつけなくてはならないのは一番右の項目「注目度」。これ、まったくあてになりません。注目度が高ければ値上がりするとかそういうもんじゃないのでこれは無視しましょう。
ほらこれも注目度は最高ランクの「A」です。

・・・アカツキさんさっきから何度もすみません。
最後に今後のIPOを大胆予想しちゃうぞ。

初値大幅高騰が予想される銘柄は
逆に現時点で言える今回危険信号な銘柄は
- 業種に不人気感。
- 公開株数が多すぎる。
- あと、コメダはノンカフェインコーヒーもテイクアウトできるようにしてほしい。
- 銘柄の公開価格
- 銘柄の業界
- 銘柄の公開株数

※2017年版。判断基準が正しく作動しているかどうか検証してみました。